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【韓国】スープ料理とお薦めのお店

 

 韓国料理の特徴は日本料理や中国料理と比べ、スープ類が多い点です。韓国料理の基本は汁とご飯。日本ではあまりお目にかからないスープ料理を紹介します。今回紹介したもの以外にも沢山のスープ料理がありますがここでは4つほどご紹介。

 このようなレストランは単品のみのレストランが多いのも特徴です。韓国ではキムチなどの副菜類が無料で付いているため、単品のみのレストランでは注文する必要が無く、座って待っていれば料理が出てきます。

 

ソルロンタン(乳白色の牛を使ったスープ料理)

 ソルロンタンは韓国の代表的な料理のひとつですがなかなか日本では見ることがありません。牛の肉・骨などを長時間煮込んで作る乳白色のシンプルなスープ料理です。ご飯と一緒に食べます。辛くない料理です。

 写真は30年以上の伝統を誇るソルロンタンの専門店「神仙(シンソン)ソルロンタン」のものです。1980年、江南のチャムウォン(蚕院)に第1号店がオープンしてから、あまりの人気に今ではソウル中にフランチャイズのお店を展開しています。中には薄切りの牛肉が入っています。

 「韓国の伝統と文化を旅する」4日間のツアーの初日の昼食(軽食)として入れています。ソルロンタンの有名なお店は沢山ありますが、その多くは塩を自分で入れて味を調えます。このお店はそのままでも美味しい味付けです。

  観光客用のお店ではありませんのでお客さんは地元の韓国人ばかり。せっかくこのようなお店に入ったら周りの韓国人の食べ方を観察してみましょう。
 韓国ではご飯と汁はスッカラと呼ばれるスプーンで食べます。ご飯も汁も器を持たずに置いたまま食べるのが韓国のマナーです。ご飯をスプーンに取って汁に浸けながら食べる人、大胆に最初にすべてのご飯をソルロンタンに入れてから食べる人、分けてご飯をソルロンタンに入れ食べる人、無料で好きなだけ食べられる白菜キムチをたっぷり入れて食べる人など様々です。

 日本の韓国料理の店ではなかなか食べられるところがありませんので韓国に行ったら食べてみて下さい。お店によってかなり味が異なるので好きな店を見つけると良いでしょう。


スジェビ(韓国風すいとん)

 スジェビとは日本名にすると韓国風すいとんです。
 小麦粉をのばした皮を手でちぎって鍋に入れます。小麦粉をちぎったものが入っていればスジェビですので、お店によってスープはそれぞれ異なりますし、複数のスープを選べるようなお店もあるようです。

 写真はソウルの北村韓屋村に近い「三清洞(サムチョンドン)スジェビ」のもの。最初の写真は多くの人が注文する通常のスジェビ。アサリ、玉ネギ、煮干などのだしと海苔が入ったスープはとても優しい味で誰でも美味しいと思える味です。胡椒がかなりきいているのが特徴です。
 2番目の写真はオンシミ(もち米団子)が入ったエゴマのスープのもの。こちらもお薦めです。何人かで行ったら両方注文しましょう。ジャガイモのチヂミももちもちして美味しいです。

 このお店はいつも混んでおり、平日の昼時は地元の人たちで行列ができています。予約は難しいのですが「韓国の伝統と文化を旅する」4日間のツアーの昼食に入れおり、無理やりお願いしています。
 あるとき店に入ったら奥の狭い座敷を案内されました。座敷に座るのが苦手な人が多いこともあり、10人分ぐらい空いていたテーブル席ではダメかと聞きました。「ここは青瓦台(せいがだい、大統領官邸)から来るからダメ」と断られました。大統領官邸のスタッフも来るようです。


コンナムルヘジャンク(豆もやしのスープご飯)

豆もやしクッパ(スープご飯)は、全州の名物料理の一つになっています。韓国の豆もやしの中でも全州豆もやしは最高とされています。気候と水質が豆もやしの栽培にあっており、この地域のソモッテ(小さな黒豆)で育てた豆もやしは柔らかく、二日酔いの効果が高いと言われています。ここではコンナムルヘジャンクと呼ばれています。コンナムルはもやし、ヘジャンクは酔い覚ましのスープという意味のようです。

 この写真は、歴史と食の都・全州(チョンジュ)で冬のキムチ作り体験「韓国の食文化を訪ねる4日間」のツアーでキムチ作り体験をお願いしている、食の都全州(チョンジュ)にある安先生のレストラン「シンベンイ」でのもの。
 キムチ作り体験当日の早朝、在来市場にキムチの食材などを見に行きます。山のように積み上がった白菜が壮観です。さすがに12月なのでかなり寒いので、安先生のお店に戻ってから朝食にこれを2種類出してもらいます。
 1番目のものは辛くないもの、2番目のものはキムチが入った少し辛いもの。どちらも美味しいです。市場にはもやしも沢山ありますが日本のものより太く、長いしっかりしたものです。コンナムルヘジャンクはこの町の名物の一つです。


プゴクッチプ(スケトウダラのスープ)

 韓国では日本と同じように魚を使っただしを多く使います。
 日本ではあまり使われませんが、韓国ではスケトウダラをだしとして良く使います。
 スケトウダラの干したものを使ったスケトウダラのスープがプゴクッチプ。二日酔いに効くことで有名です。
 日本ではスケトウダラをだしとして使うことは聞いたことがありませんが、優しい柔らかい味わいになります。日本のコンビニなどでおつまみとして売っている干し鱈は塩がきいていますが、これから塩を抜いたようなものからだしを取ります。スープに具材として残しています。

  写真はソウルの中心部、ブゴグッの老舗の有名店「ムギョドン(武橋洞)プゴクッチプ」のもの。地下鉄1号線市庁駅からすぐの路地裏にあります。ここは純粋にこれ一品のみの店。朝は通勤前の朝食に来る人で混んでいますが回転率が良いので待ってもすぐに入れます。スープには豆腐とネギ、溶き卵が入っておりとても優しい味です。朝食にお薦めです。
 染織を訪ねるツアーでは最終日の朝食時に希望される方にはご案内しています。

 ガイドブックを片手に入ってきた初めてと思われる個人旅行の若い日本人女性客。どうやって注文すれば良いか壁をあちこち眺めていましたが「座っていれば出てきますよ」と言われていました(たぶん)。
 お薦めは付け合わせとして一緒に小皿に出てくるアミの塩漬けとネギを混ぜたもの。テーブルに置いてあるほぼ同じものはスープに入れるためのものですが、微妙に味が違っています。この小皿のものもとても美味しいです。
 ソウルに行った際は、1回は行きたいと思うお薦めのお店です。