参考書籍案内【キューバ】
キューバは音楽も素晴らしいのでCDも幾つか紹介します。
①旅行ガイド、雑誌、キューバ全般を紹介した本
●旅行人160号「特集キューバ・革命の島を徹底ガイド!」[雑誌]
松尾 よしたか (著), さかぐち とおる (著), 上野 清士 (著), 渡辺 義孝(著), 石井 光太 (著), 田中 真知 (著), 樋口 聡 (著), 蔵前 仁一 (編集)
価格:1,260円(税込)出版社: 旅行人 (2009/6/1)
ガイドブックとしては地球の歩き方が一番有名ですが、キューバは複数の国とセットのためさほど詳しくはありません。
旅行人は旅関係の本を沢山書いている蔵前仁一氏が発行していた季刊雑誌です(2011年で休刊)。地球の歩き方より地図なども詳しく、音楽や様々なエッセイも掲載されています。一番のお薦めです。発行が2009/06 と若干古いのが残念です。
●キューバ 革命と情熱の詩 (地球の歩き方GEM STONE) [単行本]
地球の歩き方編集室 (編集) 価格:1,575円(税込)出版社: ダイヤモンド社 (2007/1/27)
地球の歩き方編集室が編集しているキューバ紹介の本です。 ヘミングウェイ、チェ・ゲバラと革命、クラシックカー、音楽などのキーワードで様々な方が紹介をしています。写真も多くキューバの概要を理解するのにはお薦めです。
●キューバへ行きたい (とんぼの本) [単行本] 板垣 真理子 (著)
価格:1,575円(税込)出版社: 新潮社 (2011/03)
●Travel Community Magazine 4travel vol.1 (カドカワムック 295) [ムック]
価格:880円(税込)出版社: 角川メディアハウス(角川グループパブリッシング) (2009/1/9)
角川が発行する 4travel という大判の旅行雑誌(ムック)です。この号はキューバが第一特集になっておりキューバにそれなりのページを割いています。ゲバラの娘さんのインタビューも載っています。関心があれば探してください。戸井十月「旅人ゲバラの最初の旅」というエッセイもお薦めです。
●キューバを知るための52章 エリア・スタディーズ [単行本]
後藤 政子 (著), 樋口 聡 (著) 価格:2,100円(税込)出版社: 明石書店 (2002/12/17)
各国版が出版されているシリーズの本です。関心のあるところだけ拾い読みをしても良いでしょう。出版が古いのが残念なところです。
●Discover Cuba 遙かなる風キューバ (Discover Series) [単行本]
川島 幸夫 (著) 価格:1,890円(税込)出版社: Studio Winds (2000/06)
沢山の写真と文章でキューバ全般を紹介した本です。
②キューバについて書かれた本
●小さな国の大きな奇跡-キューバ人が心豊かに暮らす理由 [ハードカバー]
吉田 沙由里 (著), アレイダ・ゲバラ (著) 価格:1,680円(税込) 出版社: WAVE出版 (2008/5/14)
NPO団体を主宰する著者の本。かなり好意的に書いていますがお薦めです。キューバの人たちの力強く生きる暮らしが描かれています。
●キューバ紀行 (集英社文庫) [文庫]
堀田 善衞 (著) 価格:530円(税込) 出版社: 集英社 (1995/3/17)
作家、堀田善衞のキューバ紀行。初版は1966年岩波新書です。集英社版の解説では佐高信が「堀田紀行文学三名作の一つ」と書いています。絶版のようですので図書館もしくは古書で探してください。
●キューバ★トリップ―”ハバナ・ジャム・セッション”への招待 (私のとっておき)
[単行本] 高橋 慎一 (著) 価格:1,365円(税込) 出版社: 産業編集センター (2007/03)
キューバのミュージシャンの話やレコーディングの話しなども書かれています。キューバ音楽に関心のある方にはお薦めです。著者はCDの項で紹介する「ハバナ・ジャム・セッション」を発売するレーベルを立ち上げた方です。
※キューバ音楽については作家の村上龍氏が詳しく日本でコンサートも企画しています。マニアックですが詳しく知りたい方には下記もあります。絶版のようですので図書館もしくは古書で探してください。
③映画(DVD)関係
●モーターサイクル・ダイアリーズ(DVD)
出演: ガエル・ガルシア・ベルナル, ロドリゴ・デ・ラ・セルナ, ミア・マエストロ
監督: ウォルター・サレス 価格: ¥ 3,990円(税込) 販売元: アミューズソフトエンタテインメント DVD発売日: 2005/05/27
チェ・ゲバラの若き日の南米旅行記『チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記』をもとに、ロバート・レッドフォードとヴァルテル・サレスらによって2004年に映画化されたもの。医学生だったゲバラが友人と2人、バイクで南米を旅するストーリーです。この旅で世界観が変わったようです。一緒に旅した友人は、キューバ革命後にゲバラに医者不足のキューバに呼ばれ、現在もキューバに暮らしているとのこと。 DVD化していますのでレンタルショップで借りることができます。お薦めの映画です。 下記が原作です。
●モーターサイクル・ダイアリーズ (角川文庫) [文庫] エルネスト・チェ ゲバラ (著), Ernesto Che Guevara (原著), 棚橋 加奈江 (翻訳)
価格: ¥ 620 出版社: 角川書店 (2004/09)
●「チェ 28歳の革命」&「チェ 39歳別れの手紙」(DVD)
出演: ベニチオ・デル・トロ, デミアン・ビチル, カタリーナ・サンディノ・モレノ, ジュリア・オーモンド
監督: スティーブン・ソダーバーグ 価格: ¥ 2,252円(税込)(注:amazon価格)
販売元: NIKKATSU CORPORATION(NK)(D) DVD発売日: 2009/06/12
スティーブン・ソダーバーグ監督が革命家、チェ・ゲバラの生き様をリアルなタッチで描いた2部作です。
フルヘンシオ・バティスタによる独裁政権をフィデル・カストロと共に倒すキューバ革命までを描いた『チェ 28歳の革命』(The Argentine)と、ボリビアでの敗北と処刑までを描いた『チェ 39歳 別れの手紙』(Guerrila)の二部作に分けられています。
キューバ革命とゲバラを知るには良い映画です。2008年5月21日、カンヌ国際映画祭で初上映され、作品がパルム・ドールにノミネート、主演のデル・トロが男優賞を受賞したとのこと。DVD化していますのでレンタルショップで借りることができます。
●ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ [DVD]
出演: ライ・クーダー, イブライム・フェレール, ルベーン・ゴンザレス, オマーラ・ポルトゥオンド
監督: ヴィム・ヴェンダース 販売元: バップ DVD発売日: 2000/09/01
ライ・クーダーはアメリカの有名なギタリスト。何しろこの映画でキューバ音楽は一躍世界中に有名になりました。CDと合わせキューバ音楽を知るには必見の映画です。DVD化していますのでレンタルショップで借りることができます。
●「Amazon商品の説明」から
『ベルリン天使の詩』『パリ・テキサス』で知られるヴィム・ヴェンダース監督によるミュージックドキュメンタリー映画。かねてからヴェンダースと親交のあったギタリスト、ライ・クーダーが、97年にキューバの古老ミュージシャンたちと製作し、世界的ヒットとなったアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』。
この作品がきっかけとなり、ライ・クーダーと共に撮影クルーを伴ってキューバへ二度目のレコーディングに同行した。彼らのレコーディング風景とアムステルダムやカーネギーホールで行われたコンサート映像を中心に、メンバーへのインタビューで構成されている。もちろん彼らの演奏だけでなく、その人間的な魅力にどんどん引き込まれてしまう作品だ。彼らの音楽に対する想いをつづりながら、キューバという特異な環境を今までにないアプローチで映しだしている。(大石みちひろ)
●苺とチョコレート [DVD]
出演: ホルヘ・ぺルゴリア, ウラディーミル・クルス, ミルタ・イバラ
監督: トマス・グティエレス・アレア, ファン・カルロス・タビオ
販売元: アップリンク DVD発売日: 2001/09/28 ●「Amazon商品の説明」から
キューバ映画界のみならず、ラテンアメリカ映画界を代表する巨匠トマス・グティエス・アレア監督が贈るユーモラスだがピリリとした辛さも忘れない人間賛歌。恋人に結婚されてしまい、しょげながらひとりチョコレート・アイスクリームを食べていた共産主義者の大学生ダビドは、そこでイチゴのアイスクリームを食べるホモ・セクシュアリストの芸術家ディエゴと知り合った。はじめはディエゴを嫌悪していたダビドだったが、次第に彼のピュアな人間性に惹かれていく…。
同性愛に対する偏見の強いキューバでは、イチゴは同性愛の象徴であり、そんな暗喩をユーモラスに用いながら、ピリリとした辛さを忘れることなく、問題提起と深みのある人間ドラマを両立させている秀作である。ベルリン映画祭審査員特別賞受賞作品。(的田也寸志)
④キューバの音楽(CD)
キューバと言えば音楽。下記は入門としても、日本で手に入りやすいものとしても最適です。レンタルショップで借りることができます。現地で買えるものと日本でしか買えないものがあります。現地でCDは8~15CUC程度(800~1500円程度)で買うことができます(見つからない場合もあります)。
●ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
アーティスト:ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
CD (1997/10/15) ディスク枚数: 1 レーベル: ダブリューイーエー・ジャパン
映画の項で紹介したもののCD版。キューバ音楽で一番有名な一枚です。名盤ですので必聴のCDです。レンタルショップで借りることができます。また中古品だと安く買うこともできます。
アフリカ、ハワイ、インドと世界をめぐるライ・クーダーが、「最高の音楽体験」とふり返るキューバ。ジャムセッションに近いスタイルで録音されたこのアルバムは、ラテン音楽のルーツを支えてきた老ミュージシャンたちの、ツヤのある声が響きわたる。キューバのセッションの定番<3>では、13歳の天才的なティンバレス奏者も加わり、若い世代の活躍に期待が高まる。
なお、このアルバム作りの過程はドキュメンタリー映画にもなり、日本でも反響を呼んだ。(新井由己)
●ハバナ・ジャム・セッション-ベスト
アーティスト:ハバナ・ジャム・セッション
CD (2009/8/19) ディスク枚数: 1 レーベル: カミータ・レーベル価格:¥ 2,494(注:amazon価格)
書籍の項で紹介した「キューバ★トリップ―”ハバナ・ジャム・セッション”への招待」の著者が設立したレーベルから出されています。ハバナ・ジャム・セッションは何種類か出されていますがこれがベスト盤です。ジャズの好きな方には必聴のCD。個人的にもとても気に入っています。1曲目の出だしから心躍る心地良い音楽です。キューバでは手に入らないので日本で購入して下さい。レンタルショップで借りることもできます。”ハバナ・ジャム・セッション”、”カミータ・レーベル”等でインターネットで検索すれば他の同レーベルのCDを探すことができます。
カミータ・レーベルのキューバンジャズのベスト盤。 ベスト盤といっても、ホントに選りすぐりの名演ばかりなので、違和感ナシ。お得感アリ。 サックスのロマン・フィリウが素晴らしい・・とか色々あるのだけれど、ここはベストの1曲、そうですチューチョ・ヴァルデス御大の#6、Latin Romance。もうこれ1曲聴くためだけでも、この盤を買う価値有り。ラテンピアノの究極の美。お勧めです。
●キューバップ
アーティスト:クバーノス
CD (2009/7/29) ディスク枚数: 1 レーベル: カミータ・レーベル 価格:¥ 2,506(注:amazon価格)
上記、ハバナ・ジャム・セッション-ベストと同じカミータ・レーベルからのもの。上記の新盤と考えても良いでしょう。紹介では「キューバ最高のアーティストが結集したプロジェクト」となっています。こちらはamazon で視聴ができます。どちらもジャズの好きな方には特にお薦めです。
●グラシアス
アーティスト:オマーラ・ポルトゥオンド(Omara Portuondo)
CD (2008/9/14) ディスク枚数: 1 レーベル: ライス・レコード 価格:¥ 2,809(注:amazon価格)
オマーラのCDの中でも比較的新しいものでありとてもお薦めのCDです。
●オマーラ・ポルトゥオンド紹介「goo 音楽」から抜粋
1930年10月にハバナのカヨ・ウエソ地区に生まれたオマーラ・ポルトゥオンドは、その情熱的で感動的な歌声で、世界中の聴衆たちを半世紀以上にわたって魅了し続けてきた。そのスタイルは、キューバ版ボサ・ノヴァにアメリカのジャズの味わいを加えた”フィーリン”と呼ばれるもので、彼女は「フィーリンの恋人」として多くのキューバ人の記憶の中に残ることになる。(中略) ライ・クーダーがブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(BVSC)の録音で再びキューバを訪れた際、オマーラも偶然にエグレム・スタジオに居合わせ、彼の誘いでアルバム『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』に参加した。(中略)
オマーラは今も、ハバナのマレコン通りに建つ海を一望できる高層アパートに住み、キューバの長い孤立を打ち破って世界の広い舞台に飛び出した、偉大な歌姫の1人として活躍しつづけている。
●No Lo Puedo Evitar
アーティスト:オルケスタ・アナカオーナ(Orquesta Anacaona)
CD (2008/6/27) ディスク枚数: 1 フォーマット: Import, from US 価格:¥ 1,415(注:輸入盤amazon価格)
女性だけのバンド、オルケスタ・アナカオーナのCDです。NHKのキューバ音楽紹介の番組でも登場しました。音楽は男性だけのものと思われていた時代、キューバで初めて結成された女性だけのバンドです。メンバーが入れ替わりながら約80年の歴史があります。素敵なバンドです。このCDは最近のものです。
●バンドの紹介
カストロ姉妹が中心になって、キューバで初めて結成された女性だけの音楽グループ。1932年の結成当時はセプテート・スタイルでスタート、のちに編成をオーケストラに拡大、オマーラやセリア・クルース、グラシエラなどもこのバンドでも活動していました。演奏は男性に負けない迫力があり、その上に女性特有のヴォーカル&コーラスが乗り、なんともいえないまろやかなソンを聞かせてくれています。